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「乳と卵」

  1. 2008/09/03(水) 19:39:41|
  2. |
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:6
 川上未映子さんの「乳と卵」を読んでみた。読みにくいとか、文章が独特だとか、女性の生理やら胸やら卵子やらの話を延々と語っていることからくる嫌な感じとかの、事前の、聞こうとしなくても入ってくる情報と、帯に書いてある説明から読み取れる物語の設定のありがちさから感じていた漠然とした予想に反して、なんかさっぱりしたいい印象を受けた。

 文章が独特だとよく言われているみたいで、確かにブログの文章はあまり好きだと思わなかったのだが、これは慣れると大丈夫というかむしろ心地よい。設定や内容のありきたりな雰囲気も(とくに最後の卵の部分は不自然でちょっとつまらなく感じて、緑子が結局かわいらしい愛情あふれた子だったというオチ(これ、オチなんだと思うけど)もいまひとつ物足りない)、芥川賞と話題作りを狙っただけなのかもしれないし、みんなに読んでもらうためにそういう努力をするのもべつに悪いことではないのだろう(いやそういうつもりではないのだろうか。この内容が本当に書きたくて書いてるのだろうか。そこらへんはよくわからない)。これでもかこれでもかと、女性の裸やら胸やら生理やらの嫌な部分についての話が続くわりには、文章があっさりしていて、嫌な感じがしないのがむしろすごい。読後、頭にも体にも何も残らないのもよい(これ、嫌みじゃなくて真面目に書いている)。そのあたり、さすがはエレカシ・ファンということか。

 ふむ。川上未映子さんに関しては、いつも、事前の予想がいい方に裏切られちゃうんだよな。はー……(と、ため息をつく女性エレカシ・ファン)。

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思い直して少々訂正。

内容がありきたりというようなことを書いたけど、そんなことはない。巻子について実感がわかないだけで、主人公が思うこととか感じることとかの書き方はなんかよくわかるし、ぜんぜんありきたりではない。解説に書かれるような粗筋だけ読むとつまらなそうだけど、そんなんに影響されてはいけないのでしたね。構成は、もっと、何も起きなくて仕掛けもない方が好みだけど。

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コメント

読んでる間中、友近の大阪のおっさん芸の口調が頭をよぎり続けました。文末だけ突如ですます調で終わるあの形。
関西では、あれはあくまでおっさんの話し方で、女性はやりませんよね。聞いたことないし。
だからすごいなあと思いました。この文体でないと、少なくとも緑子のメモの部分はとても読めなかったな・・
玉子の部分は確かになんで?でしたが、玉子=卵子と思った途端引き込まれてしまいました。
なにより、「僕等の音楽」を見てから読んでしまったので、関西弁を知らないだろう宮本さんが、これをどう思って読んだかが気になって気になって。
  1. 2008/09/04(木) 21:31:11 |
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  3. いしばし #-
  4. [ 編集]

ふーん、あれは、関西のおっさんの話し方なのですか! 「友近の大阪のおっさん芸」は見たことなく、今初めてYouTubeで見ましたが、川上さんの文体とは私の中では重なりませんでした。どうも、文章読んでいるときは、肉声をあまり想像していなかったらしいです。もしくは、女性の声として考えていたか。

関西の人とは、やはり感じ方が違ってくるのかもしれません。

緑子のメモの部分の内容、そうですか……。私は、それほどとは感じませんでした。まあ、普通に私もそのくらいの感覚はある(あった)というぐらいの感じで(これも文体のせいかもしれませんが)。そこらへんは、男性とはやっぱり違うんでしょうか。
卵のところは、ちょっとそこに作為を感じて冷めてしまったのです。

宮本さんは、リズムを褒めてらっしゃいましたよね。感じ取るリズムも、関西の人とは違ってくるのでしょうか。
  1. 2008/09/04(木) 22:42:26 |
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  3. たき #6B2Wi/8M
  4. [ 編集]

「友近の大阪のおっさん芸」自体、「女性の声で」ってことがポイントだったか、と今気付きましたが……やっぱり私の中では重なりにくいです。
  1. 2008/09/04(木) 23:28:39 |
  2. URL |
  3. たき #6B2Wi/8M
  4. [ 編集]

「玉子」という文字を見て「王子」を思い出しました。
  1. 2008/09/05(金) 00:16:56 |
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  3. たき #6B2Wi/8M
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「友近」は分かりにくかったです、すみません。

僕もこれを読んだ後、「なんかさっぱりしたいい印象」だったので、関西人の僕にとってはこの異質な(女性のはずなのに男性のような)関西弁がなにか全体を軽く、戯画化している感じなのかな、と思った次第でした。

でも、よく考えるとそれはたとえ標準語でも一緒のことでした。肉親への語りかけで、語尾だけがたまに敬体になるなんて自然ではないですね。その辺で、なにか距離感が生まれて、さっぱりした感じになっているんでしょうか。

緑子のメモの内容は、僕にとっては結婚して相当時間がたってから聞かされて知ったことばかりです。その、胎児のときからとか、30万個のこととか、つきなみですが、やっぱり神秘というか聖性を感じます。初めてこれ読んで知った男性はショックだろうな・・

全体的に、男女で感じ方はかなり違うんでしょうね。僕の場合は、完全に緑子を中心に話が進む感じでした。そういうもろもろの女性性を知りつつある立場、ということで感情移入しやすかったのかもしれません。

宮本さんの言うリズムっていうのには、もしかしたら関西人の会話のリズムということもあるのかな、と思いました。というのも、いつもの掛け合いみたいな会話のノリが、この文章を読んでいると感じられたので。
  1. 2008/09/05(金) 01:11:59 |
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  3. #-
  4. [ 編集]

>「友近の大阪のおっさん芸」自体、「女性の声で」ってことがポイントだったか

そういうことでした。(ずっとリロードしてなかったため、このコメントに気づかず)

>「玉子」という文字を見て「王子」を思い出しました。

ふと気づくと、あの箇所は「玉子」って書いてますね。「卵」でもよかったはずなのに。だからどうというわけでもないです、すみません。
  1. 2008/09/05(金) 01:20:26 |
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  3. いしばし #-
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